鈴鹿央士(25歳)が「まさに理想」と明かす2人の人気俳優。撮影現場で得た学びとは
俳優の鈴鹿央士さん(25歳)が、作家・朱川湊人の代表作で、ある兄妹の不思議な体験を描いた短編集を映画化した『花まんま』に出演。有村架純さん演じるフミ子の婚約者で動物行動学の助教・中沢太郎役を演じています。
鈴鹿さんは2000年生まれの25歳。数々の映画・ドラマに出演を重ねる若手実力派ですが、ここ数年仕事に対する意識に変化があったとか。映画『花まんま』で経験したことも含め、人気俳優の現在に迫りました。
――完成した映画をご覧になって、どのような感想を持ちましたか?
鈴鹿央士(以下、鈴鹿):素晴らしかったです。僕、自分が出た作品で泣くことってほとんどないのですが、この映画は本当に良すぎて、何度も泣きました。
台本があるので撮影したシーンは自分でも内容を分かっているのですが、それ以外の部分を観て、「ここでこんなに感動してしまうのか……!」という新しい発見がありました。
――確かに、未見のシーンがありますからね。
鈴鹿:たとえば、僕は物語をずっと「兄やん(鈴木)とフミちゃん(有村)と自分」の側で読んでいたんです。でも、酒向芳さんのお芝居を観て、この家族の物語の“別の側”からも強く心を動かされました。「ああ、こんなにも絡み合っている物語だったんだ」と改めて思わされました。
一方で、自分の想像力にもう少し頑張ってほしかったなとも思いました。でも、酒向さんのお芝居がすごかったからこそ、そう思えたんです。心から良い作品に出られてよかったと感じました。
――鈴木亮平さんと有村架純さんですが、役柄ではなく、同じ俳優という立場から見ていかがだったでしょうか?
鈴鹿:本当に素晴らしいお二人でした。どんなふうに台本を読んでいるんだろうとすごく気になったんです。僕が『花まんま』の台本を読んで、150%頑張って理解したつもりでも、もっと人生経験がある方からしたら、僕の理解度って60%、50%くらいなのかなと。
結婚や人生のいろいろなことって、演じる側としては理解しなきゃいけないけれど、実際に経験している方と比べたら、また違う考え方になってしまうと思うんです。もちろん観る人は結婚経験がなくても楽しめる作品ですが、演じる立場としてはもっと理解して挑みたいなと思いました。
――なるほど、おふたりの理解度に驚いた。
鈴鹿:そうなんです。お二人には何が見えているんだろうって。そして、実際に現場で一緒にお芝居をしたときの空気感が、僕が「こうありたいな」と思う俳優像が、まさにお二人でした。あと、これは僕自身の話ですが、もっと年を重ねてからもう一度この映画を観たい、台本を読み直したいと心から思ったんです。ネガティブな意味じゃなく、人生経験を積むことで、きっと受け取るものが変わるはずだと。だからこそ、今の自分にできるすべてを出し切ろうと思って臨みました。

「本当に良すぎて何度も泣いた」
鈴木亮平、有村架純はまさに“理想の俳優像”
