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愛猫に20歳まで長生きしてほしい! 獣医師が教える「高齢猫ならではのケア」

 ペットの寿命は年々伸びています。 「一般社団法人 ペットフード協会」の令和5年全国犬猫飼育実態調査によると、室内飼育の猫の平均寿命は16.25歳、外に出ることのある猫の平均寿命は14.18歳という結果が出ました。  最近では、20歳くらいまで生きる元気な高齢猫も。しかし、高齢猫になると、普通の猫よりもさらに細かいケアが大切になります。  そこで、長年、患猫を診てきた森動物病院院長で、『愛猫かぶ20歳まで一緒にいたかった~高齢猫を看取るまで~』で監修を務める獣医師・森健三先生に、飼い猫がシニアになったとき、心地よい毎日を過ごすために、具体的にどのようなケアをしたらいいのかを教えてもらいました。
愛猫かぶ20歳まで一緒にいたかった~高齢猫を看取るまで~

『愛猫かぶ20歳まで一緒にいたかった~高齢猫を看取るまで~』
秋本尚美・漫画 森健三・監修

(本記事は、『愛猫かぶ20歳まで一緒にいたかった~高齢猫を看取るまで~』より一部を抜粋し、再編集しています)

できるだけ猫の生活環境を変えない

猫 日々の生活環境が変わるというのは、猫にとって非常に大きなストレスになります。 「特に高齢猫は、住居や食事の変化で体調を崩しやすいもの。できるだけ変えないように、また変える場合は徐々に行うことで、猫に与えるストレスを極力少なくすることが大切」だと森先生は言います。 「特に来客や小さな子どもは、高齢猫にとっては大きなストレスになりやすいので要注意です。新しい猫を迎えるというのも、特にそれが元気いっぱいな子猫の場合は、高齢猫への負担が大きいのでお勧めしません。事情があって迎える場合は、先住猫と生活空間を分けるなどの工夫をしましょう」

爪切りやブラッシングをして、身体を清潔に!

「年をとってくると爪が厚くなったり、巻き爪になりやすくなったりします。また、以前よりも爪とぎをしなくなるので、爪がのびすぎて自分の皮膚に刺さってしまい、出血したり化膿したりして来院する猫もいます。そうなる前に、爪をまめにチェックして、切ってあげるようにしてください」  同じように、年をとるとセルフグルーミングもあまりしなくなるようです。 「長毛種だと毛玉になりますし、短毛種でも加齢で皮膚の代謝が落ちているので、皮膚の血行促進のためにも飼い主さんがブラッシングしてあげてください。また、高齢猫は目やにがつきやすくなるので、目の周りをガーゼなどでやさしく拭いてあげます。  ただし、爪切りやブラッシング、顔の周りを拭かれるのを嫌がる猫もいます。無理やりするとそれもストレスになるので、無理にやる必要はありません。気になるときは獣医師に相談してください」  高齢猫は歯肉炎や歯周病になりやすいため、予防のために歯磨きなどの口腔内ケアも行ったほうがいいですが、森先生によると、嫌がる場合は無理にしなくてもOKだとか。できれば子猫の頃から歯磨きをして、口の中を触られることに慣らしておくのが理想のようです。
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室温にも注意して、愛猫の身体の状態に合った室内レイアウトを!
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